前述の試作冷房車の結果を踏まえて当初から冷房を搭載したグループでモハ103-331 - 413・モハ102-487 - 569・クハ103-213 - 268・サハ103-324 - 359の全258両が製造された。但し、京浜東北線に配置されたモハ103-373 - 382・モハ102-529 - 538は従来の非冷房車に組み込まれた関係で当初は非冷房だった。上述したように冷房装置はAU75X形が採用されたが、電力供給用電動発電機 (MG) はモハ102形に制御・補助回路兼用としつつも冷房電源として自車も含めた4両まで給電可能な160kVAの出力を搭載して一括給電するよう変更され、編成中4両に1両は必ずモハ102形が含まれているのを考慮して決定された。

また、以下の改良も行われている。

座面拡張と蛍光灯の増設。

クハ103形の通風口は冷房化で再び廃止。

主電動機をISOネジのMT55A形に変更。

側面に方向幕を設置。その下の窓は下段上昇と上段下降に変更。

全面の行先表示機を電動化し、位置を若干変更。

行先表示器指令器と冷房制御盤の設置で運転室後部の客室仕切中央の窓を廃止。

客室内3位側妻窓上部に配電盤を設置。その下の妻窓上段を固定化。

半閉回路の設置。

当初は山手線と中央快速線(主に特別快速で運用)及び大阪環状線に投入されたが、ATC化と関連して関東に配属された先頭車の多くは1974年製の中間者と組み京阪神緩行線(所属は高槻電車区)に転属した。低運転台+新造時からシールドビームのクハ103形は関東では極めて珍しかった。中央快速線の残存車は後に中央総武緩行線に転用されて津田沼電車区に転属し、さらに一部の車両はリニューアル工事を受けて仙石線(陸前原ノ町→宮城野電車区)に転属している。

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