唐津・筑肥線と福岡市営地下鉄1号線(現在の空港線)との直通用に用意されたグループで1982年に6両(4M2T)9編成54両が製造された。編成番号は3両ずつで分かれており、小倉工場に入出場する際には3両ずつに分割される。
当時常磐緩行線に203系が投入されていたが、筑肥線の筑前前原以西は駅間距離が長く輸送密度も低いので制作費の安い本形式が一部設計変更の上で導入され、唐津電車区に所属している。
他のグループとの相違点は以下の通り。
機器配置は他の地下鉄対応車両と同様だが、主制御器は0番台等で採用されているCS20D形をベースに自然通風式主抵抗器を使用するために手直しされたCS20D-G3形を搭載。
電動発電機は457系等の廃車発生品を流用してコストを削減。
外観や内装は同時期に製造された201系をベースにしており、本形式で唯一当初から戸袋窓がない。
A-A基準のため、全面は105系をベースとした貫通構造。
額縁スタイルではあるが、彫りは浅く傾斜もつけられていない。窓まわりの色も黒ではなくクリーム色になっている。
塗装は青22号とクリーム1号の帯。
クハ103形の正面に国鉄車を示すJNRのマークを掲出。
長時間停車に対応するため、4扉のうち3扉を締切に出来るドアカット機能を搭載。
分割民営化後は全車両がJR九州に継承されたが、九州地区に配置された本形式は本番台のみである。分割民営化後は4本が先頭車化改造で3両に分割された。このため総数は6両5編成30両と3両8編成24両の合計13編成となった。3両編成は限定運用が組まれ、6両編成は303系の代走も担当した。クハ103-1504は1998年3月に今宿駅付近で強風で脱線したが、その後復旧した。
乗り入れ先の地下鉄線はATO路線でワンマン運転が行われているが、本形式にはATOが搭載されていないので地下鉄線内ではATCを使用し、車掌も乗務する。また、ホームドアとも連動していないので車掌スイッチの他にホームドア開閉スイッチも操作している。
記録的猛暑を観測した2012年夏に車両故障が多発し、事態を重く見た交通局側から早期の車両更新の要望が出た。このため2015年2月5日から順次後継の305系への更新が行われ、3月14日のダイヤ改正で直通運転は全て305系に交代する形で撤退した。なお、3両6編成18両は引き続き地上線用として唐津・筑肥線で運用されている。