黒の組織が壊滅して解毒薬が完成するとコナンは新一に戻り灰原哀とメアリー世良も元の姿に戻った。そんなある日、新一と蘭は浴衣姿で花火大会の会場を訪れていた。
「早めに場所取りして正解だったな。」
「どんどん混んできたね。でもその分楽しみだわ。」
「けどなんか風強くね?」
「始まる前に弱まればきっと…ね。」
しかしその願いもむなしく強風は続き花火大会は中止になった。二人は残念そうに帰ろうとした時だった。
「きゃあっ!」
強風で浴衣の裾がめくれ上がるので蘭は裾を押さえようとした。その姿を見た新一は思わず赤面した。
「ちょっと新一何赤くなってんのよ。」
「いや別にやましいことなんて考えてねえよ。」
「ってゆうか新一も同じようになってるわよ。」
蘭に言われて新一は思わず苦笑いしたが周囲の男の目線が蘭の生足が見え隠れするところに向かってるのを見て庇うように抱きしめた。
「急にどうしたのよ。」
「蘭のパンチラ見ていいのはオレだけだ。」
「いつぞやのお父さんみたいなこと言ってるけど新一にも見せないわよ。」
夫婦漫才みたいなことをやってる時だった。
「おい何人前でいちゃついてんだ!」
声がした方を見ると小五郎が立っていた。
「あ、それは、その・・・」
「変な男に寄り付かれないよう虫よけしてまして」
「オメーがいりゃそれだけで虫よけになんだろ。ったく調子のんじゃねえぞ!」
小五郎が忠告した時だった。
「心配しなくても」
「すぐ離れるわよ。」
そう言ったのは優作と有希子だった。その直後に新一と蘭は暑すぎて離れたのだった。いくら強風と言えど真夏の熱風の中浴衣姿でいちゃつけば暑いのは言うまでもないだろう。
「あら、皆お揃いで何やってるの?」
そう言いながら現れたのは妃英理だった。その姿を見た新一は思わず顔が引きつった。10年たっても未だに将来の義母に恐れる姿に蘭は将来うまくやってけるのか不安になった。
やがて親たちは撤収して二人に戻ると新一はあることに気が付いた。
「風で浴衣の裾がめくれ上がって思ったんだけど女子は強風の中でもスカートだと大変なんだな。」
「名探偵の新一も気が付かなかったのね?」
「あったりめーだろ。男のオレがスカート穿くわけねえからな。」
「探偵は変装もするでしょ。キッドみたいに身も心も成り済ませばどんな変装もいけれそうよ。なんなら新一も一回スカート穿いてみる?コナン君だった時旅芝居一座と一緒になったとき女役の姿になったことあるから新一が女装したらすごく似合いそうね。」
「待て待て蘭の前でやれるわけねえだろ。」
「もしかして恥ずかしいの?」
「いや、それは・・・」
「なーんてね。」
夫婦漫才を繰り広げる新一と蘭であった。
終わり