2211年、世界規模で発生した急激な人口増によりハイパービルディングの建設が急務になった。当初は以前の建築技術の観点から数千メートル級の建造物は不可能とされていたが、建築技術の発展により世界各国で数千メートル級のハイパービルディングが次々と誕生した。もちろん日本も例外ではなく都心部を中心に数千メートル級のハイパービルディングが軒を連ねている。え?肝心の主人公の紹介はまだかって?そんじゃ紹介するぜ。俺の名は高田巍。東京で一番高い「東京天空タワー」に住んでんだ。「東京天空タワー」は高さ3300mあって3000mより上は鉄塔になってる。最上階は750階で1階から時速100kmのエレベーターで登るんだ。ちなみにリニア式だから途中で乗り換えする必要もないぜ。中は低層階はデパートになってて地下には食料品売り場とその下の地下駐車場で構成され、デパートより上は住宅、オフィス、ホテル、学校、病院、その他複合施設等が入居していて最上階は展望フロアになってる。ちなみに俺はこのビルにある戦闘員育成学校に通ってるぜ。それから・・・って
「ちょっと、いつまで紹介やってんの?」
突然学生服風の少女が巍の前に現れた。
「優惟、いつの間に?」
「あんたがいつまでも紹介ばっかしてるからちっとも話が始まらないじゃないの。ついでだから紹介するね。私は本山優惟。巍とは同じビルに住む幼なじみよ。私は紫髪に紺色のブレザーとスカートを組み合わせていて中にワイシャツを着てるから学生に見えたりするけどこれでも私服なの。黒髪、白T、ジーパンの巍とは対照的に派手な感じに・・・」
と言いかけた所で巍が遮るように言った。
「ちょっと待てぇぇぇぇぇ!!俺地味な事結構気にしてんだからそれには触れないでくれぇぇぇぇぇ!!!」
自らの地味っぷりを指摘されて巍がツッコむ。すると優惟はある事を思い出した。
「巍、早くしないと学校に遅刻するわよ。」
「ゲッ、もうこんな時間かよ。」
巍は時計を見て慌ててエレベーターに乗り込んだ。

「コラァ高田!!また遅刻か!これで10日連続だぞ!!!」
この日も遅刻して教官にどやされる巍。
「罰として体育館10周だ!!」
「はーい。」
巍は遅刻した罰で体育館を10周走った。

「ハァ、今日も疲れたなぁ。」
いつものように一日を終えて帰ろうとした時だった。

ドォン!!

突然目の前で爆発が起き、周囲に衝撃が走る。
「何だ?爆発事故か?」
巍は周囲を見渡した。すると
「事故じゃねぇ、テロだ!」
突然謎の男三人が巍に迫ってきた。
「てってめぇは?」
「俺たちはテログループ(ボンバーズ)だ。このビルは俺たちボンバーズが乗っ取った。」
テロリストの襲撃に巍は冷や汗をかいた。
(マズイ。このままじゃ殺される。)
すると、巍に掴みかかってたリーダー格の男は更に続けて言った。
「俺が怖いのか?」
「怖いに決まってるだろ!突然テロリストが押しかけてきたら誰だって怖いよ。」
震えながらも怖さを訴える巍、さらに男は続けて言う。
「じゃあこれでもか?」
仲間の一人が指パッチンをした瞬間だった。

ドォンドォン!!

周囲で連続して爆発が起きた。
「え?今・・・何が起きたの?」
突然の爆発に驚く巍。
「見て分からねえのか?爆発だよば・く・は・つ。俺たちは指パッチンで爆発起こせるんだよ。さらに連続でやれば連続で爆発して威力も増すんだぜ。」
恐怖に震えた巍は意を決して言った。
「頼むから手を離して。これ以上破壊活動するのはやめてくれ。」
すると
「バカ野郎!俺に逆らう気か!!」
自分を掴んでた男に殴り倒され、集団で暴行を受ける巍。
(ダメだ、このまま殺される。)
殺されるのを覚悟した時だった。

「どうしても引き下がって欲しいなら俺たちと戦え。てめえ戦闘員育成学校の学生だろ?」
思わぬチャンスに驚く巍。
「じゃあやってやろうじゃないか。」
巍はボンバーズと戦う決心をする。

「やってやらぁ!うおぁぁぁああ!!」
巍は勢いよく回し蹴りをかける。足が三人の頭部にヒットし倒れる
「やったか?」
巍は勝利を確信した。すると
「残念だったな。」

パチン!

一人が指パッチンした瞬間

ドゥッ!

「うああああああ!!!!!!」
爆発を喰らい倒れる巍。

「とどめだ。」
三人は指パッチンを連発した。

ドドドォォォン!!!

今までとは比べ物にならない威力で爆発し劣勢に立たされる。
巍が死を覚悟した時だった。

「巍にはこれ以上手を出さないで!!」
一人の少女が颯爽と現れると三人を回し蹴りで倒した。

「優惟。」
「なかなか戻ってこない上に上の階でえらい事になってると思ったらまさかこんな事になってるとは。奴らは一人じゃ倒せないだろうから私と一緒に戦おう。」
「うん。一緒に倒そう。」
優惟の助太刀で巍は再び立ち上がった。

「ククク、仲間ねえ。てめえが仲間を呼ぼうが倒せねえことに変わりねえんだよ。大人しく倒れろ!!」
再び指パッチンで爆発を起こすが二人はひるむことなく立ち向かった。
「たたたたたぁっ!」
双方の連続パンチの打ち合いになり戦いは一進一退を見せる。そして

「てぃっ!」

頭突きで三人は倒れた。
「やった。倒したぞ!」
勝利に喜ぶ二人、すると

「なあんてな!!」
リーダーの男はやられたフリして立ち上がってきた。

さらに立ち上がると
「この女捕まえた。」
「ッキャアアアッ!!」
何と優惟が捕まってしまったのだ。

「てめえ優惟を離せ!」
巍は必死に掴みかかるが
「やだね。」
即座に引き離されてしまう。

「もう終わりだ。」
三人が巍に迫る。
「やめろぉぉぉぉぉ!!!!!」
巍の悲痛な叫びが響き渡った時だった。

「何だあれは?」
三人は巍の手から光が発生したことに驚き優惟から手が離れた。

「遂に出たのね。」
巍の光る手に喜ぶ優惟。
「遂に発動したのか。修行の末に会得した俺の必殺技が。」
「それじゃ行くわよ。」
巍と一緒に優惟も手を光らせる。

二人は白く光った手を開き三人にぶつけた。
「ていやああああああ!!!!!」

ドオオオン!!!

凄まじい爆発で三人はその場に倒れた。
「やったあああっ。」

ボンバーズを倒し喜ぶ二人。するとそこに教官が現れ
「巍、よくやったな。」
教官に褒められ安堵したがそれも束の間だった。
「巍、優惟、これからは二人で悪党と戦ってくれ。」
「え゛え゛え゛え゛え゛?」
教官の頼みに二人は一瞬で固まったのであった。

終わり

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