1964年から赤字に陥った国鉄は車両の製造に当たっても無駄を極力減らす事が求められていた。モーターの無い101系は少ない改造で103系と連結できるのでサハ101形を103系に改造したのがサハ103形750番台である。下記の30両が国鉄時代の改造だが、改造の際103系として継続的に使用する事から経年の浅い車両が選ばれている。サハ100形も同様の改造が行われる予定だったが、実現しなかった。車体そのものは101系をベースに設計されている事から外観上の違和感は少ないが、細部の方でサハ101形の車高はサハ103形よりやや低かったり台車がDT21T形又はTR64形といった違いがある。

改造時期・種車・内容により5種に細分できる。

1 サハ101-111・112・113・114・133・134・139・140・143・144・145・137・138・141・142・100・107→サハ103-751 - 767

非冷房のサハ101形から改造された。改造の際AU75形の冷房と側面への方向幕の取り付けを施工。

2 サハ101-123・124・126→サハ103-768 - 770

改造時にAU75形で冷房化されたサハ101形が種車。側面への方向幕の設置改造は行われていない。

3 サハ101-282・299→サハ103-771・772

2と同様だが、種車がサハ101形200番台である。200番台はMG・CPを搭載していたが、改造時に撤去された。2と同じく側面への方向幕の設置改造は行われていない。101系試作冷房改造車で冷房が車体中心からずれている。

4 サハ101-115・116・127・128→サハ103-773 - 776

非冷房のサハ101形から改造された。冷房と側面への方向幕の設置改造は行われていない。JR東日本継承車の775がAU712形で冷房化された他は全て廃車された。JR東日本継承車の774は豊田→中原→松戸と転属した。松戸では青緑1号に塗装されたが、これは101系では唯一のケースだった。

5 サハ101-119・120・121・122→サハ103-777 - 780

改造時にAU75形で冷房化されたサハ101形が種車。側面に方向幕が設置された。779以外の3両はJR西日本継承後の1993年に台車がTR212形に交換された。

分割民営化後はJR東日本とJR西日本に継承され、一部は延命工事が施行されたが、初期車が多かった事から早期に廃車が進行し、2002年にJR西日本で765が廃車になったのを最後に全廃になった。

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